転職して健康保険が変わったとき、
「マイナ保険証も何か手続きが必要?」
「今まで使っていたマイナンバーカードはそのまま使える?」
と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
以前の健康保険証であれば、転職すると新しい保険証が発行されるのを待つ必要がありました。
現在はマイナ保険証を基本とする仕組みに変わっていますが、転職してもマイナ保険証の利用登録をやり直す必要はありません。
ただし、「マイナ保険証がそのまま使える=健康保険について何もしなくていい」というわけではありません。
転職後は新しい健康保険への加入手続きが必要で、新しい資格情報がオンライン資格確認のシステムに反映されるまで時間がかかることもあります。
今回は医療事務として実際に患者さんの資格確認をしている経験も交えながら、転職したときのマイナ保険証について紹介します。
※この記事は2026年9月時点の情報をもとに作成しています。加入している健康保険によって手続きが異なる場合があるため、具体的な手続きについては勤務先や加入する保険者へご確認ください。
転職してもマイナ保険証の利用登録はやり直さなくていい
結論からいうと、すでにマイナンバーカードを健康保険証として利用登録している場合、転職したからといってマイナ保険証の利用登録をやり直す必要はありません。
厚生労働省も、転職・退職・引っ越しなどによって加入する保険者が変わった場合でも、健康保険証としての利用登録が完了していれば、再度の登録は必要ないと案内しています。
そのため、
「転職したから、もう一度マイナンバーカードを保険証として登録しないといけないのかな?」
と心配する必要はありません。
同じマイナンバーカードを引き続きマイナ保険証として使用できます。
ただし、新しい健康保険への加入手続きは必要
ここで注意したいのが、マイナ保険証の利用登録と健康保険への加入手続きは別だということです。
マイナ保険証をそのまま使えるからといって、転職後の健康保険に関する手続きそのものが不要になるわけではありません。
厚生労働省も、マイナ保険証の再登録は不要とする一方で、新しく加入する保険者への異動届など、従来どおりの手続きは必要としています。
会社員として転職する場合は、新しい勤務先などを通じて健康保険の資格取得に必要な手続きが行われます。
そして、その情報が保険者からシステムへ登録されることで、新しい健康保険の資格情報をオンラインで確認できるようになります。
つまり、
マイナンバーカードそのものは同じでも、そのカードから確認する健康保険の資格情報が新しいものに変わる
というイメージです。
転職後の健康保険は誰が手続きする?
会社員として転職する場合は、新しい勤務先などを通じて健康保険の資格取得に必要な手続きが行われます。
一方、退職後にフリーランスになるなど、勤務先の健康保険から外れる場合は、自分で健康保険の手続きをする必要があります。国民健康保険に加入する場合は、原則として住んでいる市区町村で加入手続きを行います。
受付で対応をしていても、「退職後、国民健康保険への加入手続きをする必要があるのを知らなかった」という方を見かけることがあります。会社員のときとは違い、自分で加入手続きをする必要があるため、忘れないよう注意してください。
ほかにも、家族の健康保険の扶養に入る、退職前の健康保険を任意継続するといった選択肢もあるため、退職後の状況によって必要な手続きは異なります。
いずれの場合も、マイナ保険証の利用登録が済んでいるからといって、新しい健康保険への加入手続きまで自動で行われるわけではありません。
転職直後は新しい資格情報がまだ反映されていないこともある
転職したら、その日のうちに必ず新しい健康保険の情報がマイナ保険証に反映されるわけではありません。
資格変更後は、事業主から資格取得届が提出され、それを受けた保険者が新しい資格情報をオンライン資格確認等システムへ登録します。
厚生労働省も、保険者へ必要な書類を提出してから新しい資格情報の反映が完了するまでには、一定の期間を要すると案内しています。
そのため転職直後に病院を受診すると、マイナ保険証を読み取っても、新しい健康保険の資格がまだ確認できない場合があります。
ただし、「転職してから○日経てば必ず反映される」と一概にはいえません。
勤務先から保険者への手続きや、保険者側での資格情報の登録状況なども関係するためです。
転職直後に受診する予定がある場合は、マイナポータルから現在登録されている健康保険の資格情報を確認しておくと安心です。
実際に、転職後の資格変更でレセプトが返戻されたことも
私が医療事務として勤務している中でも、転職後の健康保険の資格変更に関するケースを経験したことがあります。
その患者さんは転職によって健康保険が変わっていましたが、受診時にその申告はありませんでした。
受診時にはマイナ保険証で資格確認ができていたため、医療機関側ではそのとき確認できた資格情報をもとに会計し、レセプト請求を行いました。
しかし、後日そのレセプトが資格に関する理由で返戻されました。
保険者へ問い合わせたところ、そのケースでは医療機関への支払いはそのままとし、保険者から患者さんへ保険者負担分を請求するという説明を受けました。
もちろん、転職後に古い資格情報で請求された場合に、すべて同じ対応になるわけではありません。
現在は、受診日時点で健康保険の資格が変更されていて新しい資格が確認できる場合、審査支払機関がレセプトを新しい保険者へ振り替える仕組みもあります。一方、一部には振替の対象にならず返戻となるケースもあります。
私が経験したケースも一例ですが、受診時にマイナ保険証で資格確認ができたからといって、転職後の資格変更について何も伝えなくてよいとは限らないと感じた出来事でした。
転職直後に病院へ行くなら、受付で伝えてほしい
医療事務としては、転職して健康保険が変わった直後に受診する場合、
「転職して健康保険が変わったばかりです」
と受付で一言伝えてもらえると助かります。
患者さんから申告があれば、受付側でも現在確認できている資格情報について、より注意して確認できます。
反対に、健康保険が変わったことが分からなければ、医療機関側はその時点で確認できる情報をもとに会計や請求を進めることになります。
転職後の新しい資格情報がまだ登録されていない場合、オンライン資格確認では「資格(無効)」や「資格情報なし」と表示されることもあります。厚生労働省も、転職などによる資格変更後、データ登録まで一定期間を要することがあるとしています。
「マイナ保険証だから何も言わなくても全部分かるだろう」と考えず、健康保険が変わったばかりであることを受付で伝えるのがおすすめです。
今は従来の健康保険証ではなく「マイナ保険証」または「資格確認書」
以前は転職すると、「新しい健康保険証が届くまで病院に行けないの?」と心配する方もいました。
しかし、現在は制度そのものが変わっています。
従来の健康保険証は2024年12月2日から新規発行されなくなり、既存の健康保険証についても2025年12月1日で有効期限が終了しました。
2026年9月現在、医療機関や薬局では、マイナ保険証を持っている方はマイナ保険証、持っていない方は原則として資格確認書を提示して資格確認を行います。
そのため、転職時についても「新しい紙の健康保険証が届くのを待つ」という以前のイメージとは異なります。
マイナ保険証を利用していない方については、資格確認書の取り扱いを加入する保険者に確認してください。資格確認書の様式や発行形態などは保険者によって異なります。
まとめ|マイナ保険証はそのままでも、健康保険の切り替えは必要
転職して加入する健康保険が変わっても、すでにマイナ保険証の利用登録が済んでいれば、再登録する必要はありません。
ただし、新しい健康保険への加入手続きまで不要になるわけではありません。
転職後は、
- マイナ保険証の利用登録をやり直す必要はない
- 新しい健康保険への加入手続きは必要
- 新しい資格情報の反映には一定の期間がかかる場合がある
- 転職直後に受診するときは、健康保険が変わったことを受付で伝える
という点を覚えておくと安心です。厚生労働省も、転職などで保険者が変わってもマイナ保険証の再登録は不要である一方、新しい保険者への手続きは必要と案内しています。
医療機関側でもマイナ保険証を使って資格確認を行いますが、転職直後は新しい情報への切り替えが完了していないことがあります。
「マイナ保険証だから大丈夫」と思っていても、資格変更のタイミングによっては確認が必要になることがあります。
転職後すぐに病院へ行く場合は、受付で「健康保険が変わったばかりです」と伝えてみてください。

コメント