病院で受付を待っていると、「受付の人はパソコンを触っている時間が長いな」と思ったことはありませんか?
実は、病院の受付では患者さんから見えないところで、さまざまな仕事をしています。
私も医療事務として働く前は、「保険証を見る人・お会計をする人」というイメージを持っていました。
しかし実際に働いてみると、その裏では診察をスムーズに進めるための確認や事務作業など、多くの業務を同時に行っていることがわかりました。
今回は、現役医療事務として働く私が、病院の受付では実際にどんな仕事をしているのか、その一部をご紹介します。
病院の受付は「案内係」だけじゃない
病院の受付というと、「受付で保険証を受け取り、診察が終わったら会計をする仕事」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
もちろんそれも大切な仕事ですが、実際にはそれだけではありません。
患者さんが安心して適切な診察を受けられるように、受付では保険証や受給者証の確認、患者情報の登録、会計、電話対応など、多くの業務を担当しています。
また、患者さんからは見えないところでも、診察がスムーズに進むよう、医師や看護師と連携しながらさまざまな事務作業を行っています。
受付は「病院の入り口」であると同時に、診察を支える大切な役割を担っている仕事です。
実際にはこんな仕事をしています
マイナ保険証・受給者証・診察券などの確認
患者さんが受付に来られたら、まずマイナ保険証・資格確認書や受給者証、診察券などを確認します。
「毎回確認するの?」と思われるかもしれませんが、保険の資格や負担割合が変わっていることもあるため、とても大切な確認です。
また、保険証の有効期限や登録情報に間違いがないかを確認することで、患者さんが安心して適切な診察を受けられるようにしています。
毎回ご提示いただくのはお手数をおかけしますが、大切な確認の一つです。
患者情報の登録・確認
初めて来院される患者さんには、お名前や住所、連絡先などをお伺いし、カルテ登録します。
他院からの紹介状などをお持ちの場合は、ここで預かることも多いです。
また、以前来院されたことがある患者さんでも、住所や電話番号が変わっていないか確認することがあります。
診察券をお持ちでも、「住所は変わっていませんか?」とお聞きすることがあるのはそのためです。
病院の診察に住所が必要?と思う方もいるかもしれません。
保険資格や公費受給は、お住まいの自治体によって受けられる制度が異なる場合があるため、実はとても重要なのです。
正しい情報を登録しておくことで、診察や会計だけでなく、必要なご連絡をするときにも役立ちます。
診察窓口への案内
受付で確認が終わると、診察へご案内します。
「診察室へどうぞ」とお呼びするだけと思われるかもしれませんが、その前に紹介状や問診票、必要に応じてお薬手帳を確認し、必要な情報がそろっているかを確認しています。
また、病院によっては、診療科ごとに受付方法やご案内の流れが異なることもありますが、患者さんが安心して診察を受けられるようご案内しています。
ご案内は口頭で済むことがほとんどですが、初めて来院された方や院内で迷われている方もいらっしゃいます。
そんなときは受付から出て、一緒に目的の場所までご案内することもあります。
少しでも安心して院内を移動していただけるよう心掛けています。
大きい病院だと、複数の科があって場所が分かりづらいときもありますよね。
初めて来院された方なら、なおさら迷ってしまうこともあると思います。
そういったときは、気軽に受付に場所を聞いていただいて大丈夫です。
診察後のお会計
診察が終わると、受付ではお会計の準備をします。
「金額を計算してお金を受け取るだけ」と思われることもありますが、実際には診察内容や検査、処置などを確認し、診療報酬のルールに沿って金額を計算しています。
医師や看護師、薬剤師と連携しながら進めるため、診察が終わってから少しお時間をいただくことがあります。
また、「前回と金額が違う」と不安に思われる方もいらっしゃいます。
検査や処置の内容、管理料などによって、同じ病院でも会計金額が変わることは珍しくありません。
もちろん、計算ミスが起こらないよう十分気を付けてはいますが、人が行う仕事である以上、可能性がゼロとは言い切れません。
そのため、受付でご質問をいただいたときは、会計内容や電子カルテを確認しながら、一つひとつ内容をご説明しています。
「前回と違うな」「何が変わったのかな」と疑問に思ったときは、遠慮なく受付へお声がけください。
お薬がある場合は、院内処方なのか、院外薬局で受け取る処方箋をお渡しするのかを確認し、それぞれご案内します。
初めて受診された方にも安心してお帰りいただけるよう、最後まで分かりやすいご案内を心掛けています。
患者さんからは見えない仕事もあります
病院の受付では、患者さんと直接お話ししている時間以外にも、さまざまな仕事をしています。
患者さんからは見えにくい仕事も多いですが、どれも安心して診察を受けていただくために欠かせないものです。
電話対応
受付では、来院された患者さんへの対応だけでなく、お電話でのお問い合わせにも対応しています。
診察時間や予約変更、書類に関するお問い合わせ、入院費の確認など、ご相談の内容はさまざまです。
ご用件をお伺いして適切な部署へつなぐのも私たちの大切な仕事です。
ご来院いただいている患者さんにも、お電話をくださった患者さんにも、できるだけ丁寧に対応できるよう心掛けています。
患者さんをサポートする仕事
入院患者さんへの面会に来られたご家族へ病室をご案内したり、院内で迷われている方をご案内したりすることもあります。
特に初めて来院された方や、大きな病院では場所が分かりにくく、不安になってしまうこともあります。
口頭でご案内するだけでなく、必要に応じて受付を出て一緒に目的の場所までお連れします。
少しでも安心して院内で過ごしていただけるよう、一人ひとりの状況に合わせて対応しています。
カルテの準備
患者さんの診療録(カルテ)は、診察のたびに必要になることが多いです。
電子カルテで一括管理をしているところや、紙媒体のカルテで管理をしているところなど、状況は病院によって様々です。
患者さんがスムーズに診察を受けられるよう、事前にカルテを準備し、看護師や医師へ引き継ぎます。
領収書・書類・レセプトの作成
病院の診察に関する領収書や申請書、そして診療内容を保険者へ請求するための「レセプト(診療報酬明細書)」の作成は常に診察と同時並行で行われています。
外来の診察後のお会計を準備しながら入院費や公費の申請、レセプトの準備など、意外とやることが多いです。
その他にもさまざまな仕事があります
上記したもの以外にも、羅列しきれないほどの細かな作業が毎日あります。
新人教育や院内掲示物の作成などもその一部です。
日々様々な業務をこなしながらも、作業的にならないように、患者さん対応は手を止めて丁寧に行うように心がけています。
まとめ
病院の受付では、保険資格の確認やお会計だけでなく、患者さんが安心して診察を受けられるよう、さまざまな仕事を行っています。
患者さんからは見えない仕事も多くありますが、一つひとつが診察を支える大切な役割です。
病院に来ると、不安や緊張を感じる方もいらっしゃると思います。
分からないことや困ったことがあれば、一人で悩まず、気軽に受付へ声をかけてみてください。
この記事を通して、病院の受付を少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。


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